新納先生のLisp本です。とても特長のあるLisp本です。
とても敷居が低いです。xyzzyという処理系を使って初歩の初歩から丁寧に説明しています。
ところが、この本のもうひとつの特長はラムダ計算を取り上げていることです。新納先生は高橋正子先生のから教わったそうです。チャーチのラムダ計算の有名な個所をLispを使いながら説明をしています。
チャーチ・ロッサーの定理もちょこっと顔を出します。ちょっと異色なLisp入門書です。
ところでまだ20世紀、インターネットはまだまだ黎明期でパソコン通信が主流だったころの話です。Niftyというサービスで私はいろいろ計算機科学のことを教わっていました。ラムダ計算のことや、領域論、スコット理論です。その時にとても親切に説明してくださる方がいました。スコット理論を理解したかったのでした。
残念ながらその方は南米に行かなくてはならないということで教わることはできませんでした。高橋正子先生から教わったということでした。
ひょっとして、あの方、お若い頃の新納先生ではなかったのだろうか?と今でも思っています。いや、私の単なる推測、思い込みですよ。